イタリア・ナポリ県南部の地域保健公社 ASL Napoli 3 Sud は、2022年1月7日にランサムウェアグループ Sabbath(54BB47H)の攻撃を受けた。州と契約するIT委託事業者を経由して内部ネットワークへ侵入されたとされ、42台のサーバ上で稼働する約240の仮想マシンが被害を受けた。攻撃者は約9割のデータを窃取したと主張し、二重の身代金を要求。給与システムを含む業務に広く影響が及んだ。
イタリアの個人データ保護監督機関 Garante は、2023年9月28日の決定(provvedimento n.422)で、約84万2千人(患者・利用者841,965人、職員153人)の個人・健康データが侵害されたと認定した。VPN接続に多要素認証が導入されていなかったこと、重要システム間でネットワークが分割されていなかったこと、24時間体制のログ分析など検知体制が不十分だったことを指摘し、GDPR第5条・第25条・第32条違反として3万ユーロの制裁金を科した。「攻撃を受けたこと自体がGDPRの遵守義務を免じるわけではない」とする代表的な監督機関決定の一つ。