ロンドンの NHS 病院で病理検査(血液・尿・検体検査)を担う委託事業者 Synnovis は、2024年6月3日にランサムウェアグループ「Qilin」の攻撃を受け、ほぼ全てのITシステムが暗号化されて検査サービスが停止した。Synnovis は Guy’s and St Thomas’ および King’s College Hospital の各 NHS トラストと病理検査で提携しており、影響は7つの病院に及んだ。
攻撃後13日間で計画手術1,134件・外来予約2,194件が中止され、血液検査が滞ったことで O型陰性血液の不足も生じた。King’s College Hospital NHS Foundation Trust は、血液検査結果の遅延が「複数の寄与要因の一つ」となり患者1名が死亡したと認めている。攻撃者はゼロデイ脆弱性の悪用で侵入したと主張し、6月20日には窃取した約400GBのデータ(患者氏名・NHS番号・検査内容など)を公開した。委託先(サプライチェーン)への攻撃が広範な医療提供を直撃した代表例。